本件は、マンションのトイレが詰まったというご依頼でした。
トイレの詰まりは、大半がトイレットペーパーの流しすぎや、汚物(うんち)による詰まりです。
その他の原因としては「誤って異物を流した」「排水管が割れている」等が多いのですが、、、
結論から先に書くと、
今回は「生ゴミによる油脂汚れの堆積」が原因となった詰まりでした。
通常トイレの排水管は、雑排水の排水管とは独立して敷設されている事が多く(※1)油脂汚れ等による管内の閉塞は起こりづらい場所です。
※1:トイレの排水と雑排水が共用されている場合もあります。
ただ、今回に関しては、トイレ排水管内部が油脂汚れの塊だらけで、生ゴミのような残飯も大量に詰まっておりました。
百聞は一見に如かずということで、詰まりの原因物について、簡単に作業写真も交えてご紹介致します。
1.管内に詰まった原因物の状況
緑のホースは、高圧洗浄ワイヤーです。上流部から下流部へ、油脂汚れの堆積物を破砕しながら洗浄しております。
直径100mmの塩ビ管に、これだけ大量の油脂汚れが堆積しておりました。
調理等を行うキッチン等の排水管はこのようになりますが、
トイレの排水管では、珍しい事です。
2.油脂汚れの塊(かたまり)を取り出してみました
このような汚れが20メートル程度にわたってビッシリ管内に付着しておりました。
見ただけでは伝わりませんが、非常にドロドロとした石鹸のような硬さの塊(かたまり)です。
大きさもすごいですね。
3.油脂汚れの塊(かたまり)の厚み
厚みも5センチほどあります。
このような塊(かたまり)が無数に100mm(10センチ)のパイプに詰まっていたわけですから、トイレの水が流れなくなるのも納得です。
今回は、お客様宅内の洋便器を取り外したり、パイプシャフトにある排水管に掃除口を設けないと高圧洗浄が出来ない構造でしたので、非常に時間がかかりましたが、何とかこれらの汚れを除去する事ができました。
排水管の経路を調査すると、ご依頼いただいたお客様の上層にお住まいのどこかの部屋のトイレから生ゴミが日常的に流れてきている形跡がありました。
マンションやアパートでは、主要な排水管が共用されておりますので、自分がキレイに使っていてもこのような事が起きてしまいます。
いつも書いておりますが、パイプ内部は見えないところですので、日常的に詰まり修理を行っている我々でも驚くような事があります。
パイプの定期清掃(定期点検)によって未然に防げるトラブルが大半ですので、少しでも「変な音がする」「流れがおかしいな」と思ったらご相談いただければと思います。