今回は、高知県の西部に位置する宿毛市へ行ってまいりました。
車で片道2時間30分弱と、遠かったです。
事前にお電話で詳細なお問い合わせを頂いたお客様で、
・トイレの流れが悪い
・ご自身で洋便器を取り外して色々な箇所をチェック済み
・見える範囲には異常が見当たらない
・近所の水道屋さんに相談するも、排水管経路不明
というような状況でした。
このような場合は、調査を兼ねた形での作業となります。
具体的には、怪しい箇所から通水テストや高圧洗浄等の実施を行い、
下流の排水管との接続を調べ、必要があれば管内カメラ等を挿入し内部を見て、問題となっている箇所を切り分けていく地道な作業です。
今回もそのような調査を行いまして、トイレと排水管の接合部(フランジといいます)から数メートルのところが怪しいという仮説を立て作業に入りました。
以下、簡単に写真も交えて
1.高圧洗浄で異物のかきだしにトライ
便器はお客様がすでに取り外して下さっていたので、便器があったところの下にある排水管から高圧洗浄。
高圧洗浄ノズルは、先端から逆噴射がかかっており、手前に汚れをかき出す事ができます。
通常は下流から上流に向かって高圧洗浄を行い、汚れを下流に取ってくるのが理想なのですが、こちらのお宅は排水管の構造上それが不可能であった為、上流から下流に向かって逆噴射をかけ、原因物の除去に挑みました。
2.作業開始から30分。。。やっと何かが出てきました。
作業開始から、3メートル地点に何か違和感はあったものの、ガッツリと排水管の曲がり部分に噛みこんでいる様子でなかなか除去ができず、作業開始から30分。やっと手前に異物らしきものが出てきました。
この瞬間が一番、仕事をしていて幸せを感じます。(笑)
3.落とさないように慎重に除去
目に見えるところにきた異物をちょっと特殊な道具を使って、慎重に除去します。
滑らせて、また排水管内に落としてしまうと、また出てくるという保証もないので、非常に焦ります。
異物はお菓子の袋でした。
パッと見は、薄くて簡単に流れていきそうなものですが、これが円筒状になって排水管部分の曲がりにかかっていた為、ペーパー等がせき止められて流れなかったものと推定されます。
4.作業後は便器回りのメンテも忘れずに実施
異物除去後は、便器を取り付けてテストを行うのですが、古い便器の場合、床や給水栓、ロータンクとの接合が悪くなっている事が少なくありません。
弊社では、この辺りのメンテもしっかり実施し、後で漏水等がおきないよう十分注意しております。
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ガスケットという便器と床のフランジ(接合部)に使う粘土のようなパッキンが劣化していた為、除去して新品に交換しました。
最近の便器はゴムパッキンが主流ですが、ちょっと古い便器ですと、まだまだこのタイプがあります。
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ロータンク(水をためるタンク)と便器との接合部のパッキンも劣化がないか確認し、漏水チェックを行います。
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特に取り外しを行っていないロータンク側についても同様にチェックします。
5.便器を取り付けてクリーニング
最後に便器を取り付けて、このあと通水テストを実施し終了しました。
便器の下や、ウォシュレットを取り外すと普段掃除が出来ないところが出てくるのですが、弊社ではそのような箇所もキッチリと手作業でのクリーニングを行っております。
もちろん見えるところも掃除をし、来た時よりキレイにして帰るよう心がけています。
以上が今回の作業でした^^
余談になりますが、
異物のお菓子の袋について、お客様が仰るには、認知症を患われたご家族の方がおられて、「おそらくその方が誤って流したのではないか?」という事でした。
介護施設等からもよくご依頼をいただくのですが、誤ってトイレにオムツやゴミ等を流してしまう事が多いようです。
異物の場合は外から取り出すことが困難なケースが多く、基本的には便器を取り外します。
便器を取り外して、便器内部や手の届く排水管部分に異物があれば比較的簡単に除去が可能です。
ただ、異物が便器を超えて排水管の途中にかかっている場合や取り外しが出来ない和便器等の場合は、今回のケースのように排水管高圧洗浄や、トーラー等による管内作業が必要になります。
異物の種類によりますが、重みがあり、硬くて、大きいもの等はどうしても取り出す事ができない場合もあります。
そのような場合は、排水管を掘り起こして物理的に切断し、そこから異物を除去する事となり、大がかりな作業になります。
と、詰まりと一言で表しても原因はさまざまで、まずは調査をしてみないと分からない事も多いので、何かお困りの事がありましたら、ご相談下さい。